だい
そろそろ、マカオ滞在も3週間を過ぎ、やっと折り返し地点。

とはいえ、小屋入りまでは2週間弱、

今回は、これまでの3回のマカオ創作の中で、最も難しいかもしれない。

そもそも作品自体が長い。
「幸福な王子」は1時間弱、「パニック」は40分程度であるが、今回の「雪のひとひら」は1時間20分ほど。
当然、場面も多く、稽古時間も必要になる。

加えて、キャストの数が多い。
今までは5名の作品だったが、今回は9名。
9名のうち、プロの役者は一人。
あとは昼間に仕事をしているので、スケジュール調整もなかなか難しい。
NG問題は深刻だ。
マカオでは稽古日程が決まった後も、ちょこちょこNGを入れてくる。
それが普通なのだそうだ。
今回はキャストの数が多いため、スケジュール調整の可能なプロの役者が少ないことから、かなり深刻な状況である。

なにせ、昨日、久しぶりに全員がそろった。
稽古初日以来で、なんと約2週間ぶりである。
うちの芝居は全員出ずっぱりのアンサンブル芝居なので、正直、全員がそろわないと稽古にならない。
なので「できれば、もうNGは入れないでほしい。入れる際は佐川に相談してほしいし、今、NGのところも調整してくれると嬉しい。」と話した。

また、今回のカンパニーは若い。
基本、20代の人ばかり。
だから稽古場はいつも賑やかだ。
いい意味ではアクティブだが、ともすると制御不能。
僕の言葉が届かないことがある。

俳優に関しては、決して悪くない。
台湾の国立演劇学校出身や、香港でも活躍している俳優もいたりする。
加えて、女性陣は、エネルギーもセンスもあると思う。
しかし、アンサンブルが大事な芝居なので、全員で息を合わせる作業や、空間を作る意識、細かい部分への集中、そして何より身体性をどこまで突き詰められるかが勝負になりそうだ。

幸いは、くれあがいることだ。
くれあが稽古をリードしてくれるし、実際に体で見せてくれるのは助かる。
言葉で伝えるのも大事だが、表現を見せたほうがより感覚的に伝わるときもある。
しかし、くれあは日本キャストとの違いに戸惑いもあるのは事実だろう。

日本の役者は、いい意味でも悪い意味でも真面目。
稽古から真剣にやるのが当たり前。
しかし、今のキャストは若いせいもあるのか、稽古ではどこか流し気味に表現する傾向がある。
特に、演劇真面目人間なくれあは、そこら辺のギャップにはかなり苦しんでいるようだ。
稽古進めるのに必死な佐川は、そこへのフォローはできていなく、申し訳ない。

もう一つの幸いは、演出助手が二人いること。
バンとジェシカという女性だが、二人とも優秀。
特にバンは台湾でアートマネージメントの勉強をしたらしく、舞台美術から、音響までオールマイティに対応してくれる。
本当に助かる。

昨日はラジオの取材があった。
なんだか数日後にはテレビの取材もあるそう。
ドキドキである。
また、前に出演してくれたピンキーとアイファンが、差し入れを持ってきてくれた。
エッグタルトと青島ビールである。
本番には、先日のフェスで知り合ったマレーシアや、香港の演劇人も見に来てくれそうな気配だ。

とにかく、良い作品にするべく、頑張るしかない。