だい 先日、12月15日、私の誕生日でした。
多くの皆様、お祝いコメントいただき、本当にありがとうございます。
本当に多くの方に見守ってもらえているなと、つくづく幸せを感じる誕生日になりました。
おいおい、お返事できればと思っておりますが、本番まで1週間を切り、何分バタついております。この文面にて、とりあえずの御礼代わりに。

以下は、誕生日記念の香港一泊二日の日記です。(ながーーーいよ。)

誕生日前日の14日は稽古がオフだった。
なので、くれあが「大ちゃんの誕生日は香港で迎えよう!」と、急きょホテルを予約し、香港へ一泊二日で行くことに。

まず、香港情報を仕入れようと思い、現地演劇人や、香港通の知り合いに連絡すると、先日の国際交流演劇祭の香港チームの女優さんが「我々がガイドするから、何でも言ってくれ!」とのこと。

僕は「せっかくなので、現地の演劇人にも会いたいな。」とか、オファーを投げてみた。

そして当日に。
香港までは、マカオからフェリーで一時間程度。
近いが、入国審査があるので、実際は2時間くらいかかる。

香港到着すると、現地の女優「程」さんが迎えに来てくれた。
早速「飲茶」を食す。
「飲茶」は、日本と同じで、癖が少なく食べやすいうえ、やはり本場のほうが旨いし、安い。
そのまま、ホテルへチェックイン。
ホテルは、ジョーダン駅という地下鉄の真上。

午後は、くれあの幼馴染で、結婚して香港在住の日本人に会う約束になっていた。
ホテルで会い、香港の現状などを話す。
「子どもの教育が、広東スタイルだと、「学歴重視」で、まったくゆとりがない。そのプレッシャーのせいで、子どもの自殺者も増えている。」とか
「中国はもちろん、欧米、他のアジア圏など、多様な文化、民族が集っているため、その格差や軋轢は生まれている。」など。
彼女とは一時間ほど話し、サヨナラ。

その後は、香港で数少ないパントマイマーのエリックと会うため、彼のアトリエへ。
エリックとは、「ノンバーバル(言葉に頼らない)演劇の香港事情」について話す。
「マイムは面白くないものという偏見が根強いし、言葉で説明できないものはプロモーションが難しい。」
「マイムを勉強しようという役者も、「こんな技術が演技に役立つのか?」と辞めていってしまう」など。
彼は、僕の作品を見たわけではないが、程さんが「大さんの作品をみて、エリックとは話が合うはずと思った。」とコーディネートしてくれた。
彼はマイムだけでは食えないので、「laughty yoga」というヨガのインストラクターなどもしているらしい。
程さんも普段はフローリストなんだそうだが、多くの演劇人が食えないのは、日本と一緒であるようだ。

エリックと雑談後、簡単なマイムワークショップをしてもらう。
「基礎的なことだけ」といいながら教えてもらうが、見えないものを共有する作業は楽しかった。

その後、香港島へ渡る。
二階建てバスに乗るが、なんだかテンションが上がる。
香港はマカオと同じく、人は多いのだが、比較的余裕がある気がした。
バスがその象徴かもしれない。

香港島へ渡ったのは、Exploration theatreという劇団のKARLEYさんとディナーするためだ。
彼は、香港の老舗劇団の主宰らしい。
「楢山節考」を見て、全く面識がないにもかかわらず、終演後「とても感動し、インスパイアされた。是非またお会いしたい。」と名刺交換をしてくれた。
なので、この機会にお話をと思っていたら、程さんがコーディネートしてくれた。

ここまですべて、程さんのガイドである。
他の香港チームのメンバーも手を回してくれたり、アイデアを出してくれたようだ。
本当にありがたい。

待ち合わせ場所は、洋風のステーキハウス。
地元の老舗で、他と比べ割安なんだそうだ。
香港も物価は高くなってきており、それなりのレストランに行けば、日本と変わらない値段になる。

KARLYさんと食事をしながら、語る。
彼は香港では、最初のプロ劇団の主宰らしい。
当時はイギリス統治下で政府の助成金もあったが、中国返還後は事情が変わり、演劇への助成が減り、創作活動が難しくなったとのこと。
なので、最近は予算規模を小さくして、創作をしているとのこと。
今は、演劇学校で教えながら、小中学校でドラマエデュケーションもしているそうだ。

「香港の演劇事情は?」
「どんなスタイルでドラマエデュケーションをしているのか?」
「MOMENTSのスタイルは、どういう過程でなったのか?」などなど語る。
どちらかというと、マカオでは若い世代との交流が多かったので、僕よりも年配のKARLYさんとの会話は、ある意味、新鮮だった。
食事を終えると、「明日は君の誕生日だろ?」とのことで、奢ってもらう。
歓待されて、ありがたい限りだ。
彼が来日する際に、僕が「6つ星レストラン」で奢るという約束をした。(もちろん、6つ星レストランは実在しないので、ジョーク。)

夜の9時半を過ぎ、ここでガイドしてくれていた程さんや、KARLYと別れ、ここからはSTANが合流。
STANは、一昨年のメルボルンフリンジフェスに参加した「PANIC」のキャストだ。
本当は香港人では最も親しい奴なのだが、あえて直前まで連絡なしで香港入りしたところ、「なんで連絡しなかったーー!俺がガイドしたかったのにーー!」とリアクション。

「どうせお前とは、しょっちゅう会えるだろ!」となだめ、夜のビクトリアピークへ。
ビクトリアピークとは、香港を一望できる山の上にあり、そこからの景色は、「百万ドルの夜景」とも言われる、香港一の観光名所。
途中、二階建ての路面電車や、山への路面電車に乗り、テンションが上がる。
夜22時過ぎなのに、ピークへ向かう人はたくさんいる。

頂上はさすがの夜景であった。
マカオの夜景もきれいだが、カジノネオンなので、ギラギラ感があるが、香港は人々の生活を感じる夜景である。
絶景というのは高いところにあるものだが、高所恐怖症な佐川は、あくまで安全地帯から眺めた。

23時ころ、夜景を満喫し、ホテルへ向かうが
「せっかく香港来たから、マッサージしてほしい!」という佐川の我儘で、近隣のマッサージへ。
STANが「ここは俺も前に来たから、お勧めだよ!」というところを案内してもらう。
お店の人への繋ぎまでSTANにしてもらい、彼とはサヨナラ。

マッサージ屋はローカルのところなので、ちょいと怖かったが、腕前はさすが本場。
凝っているところを、ピンポイントでぐいぐいくる。
くれあも佐川も大満足である。
二人で「いやーー、利いたねーー」と、時計を見ると、すでに24時半。
マッサージ屋で誕生日であった。

近所のコンビニでビールを買い、ホテルへ。
今回、ホテルを予約する際、最も重視したのは「バスタブがある」こと。
シャワーしかないマカオで一か月である。
たまには「お湯につかりたいーー!」という欲求を満たすためだ。

部屋に戻り、ビールを飲みつつ、風呂に湯を張る。
そして、ザンブと湯に。
くーーーーー、俺は日本人だ―――!と感じた。
ゆっくり風呂に入り、2時すぎに就寝。

いやーーー、いい一日であった。



と、この勢いで、翌日の日記も。
チェックアウトは12時なので、とにかく午前中はホテルでゆっくり眠る。

マカオのアパートのベッドと違い、この部屋はベッドもキングサイズ。
シーツも布団も極上で、寝心地は最高であった。

今日は15時半のフェリーでマカオに帰る。
それまでは、香港の演劇人JOとランチをすることに。
Joは女性で、舞台監督であり、プロデューサーであり、演出家だ。
ホテルのロビーに迎えに来てくれたので、そのままランチへ。
「香港では女性演劇人が多いのか?」
「日本では、最近は女性演劇人がかなり増えている。」
などの話をし、香港の女流作家でいい人がいたら紹介してもらえないかと提案する。

1時半ころには、昨日のガイド程さんと、KEITHも合流。
KEITHは香港チームにスタッフとして関わっていたが、2月に行われる日本の国際芸術見本市TPAMに参加するらしい。
わざわざ30分だけ、会いに来たの?と思ったら、ケーキを持ってきてくれ、HAPPY BIRTHDAYサプライズ。
ちょいとびっくりし、涙が。
いやはや、本当にありがたい。
再会を祝し、別れる。

そして、JOの案内のもと、九龍のフェリーターミナルへ。
無事にチケットも取り、フェリーに乗る。

そして、稽古場へ。
今日もNGがいるので、通し稽古はできないが、細かく返し稽古をする。
稽古も本番近くなってきて、少しずつだが、真剣さは増してきた。
また、くれあがマカオメンバーのコントロールするの上手くなってきて、彼女のリードで稽古場の集中力が高まる。

稽古を終えると、こちらでもサプライズのケーキが。
そして、一人一人が書いた、メッセージカードまで。
丁寧に日本語で書いてくれている。
本当に、本当にありがたい。

香港一泊二日では、観光名所はビクトリアピークしか行ってないが、
とにかく色々な人に会った。
フェイスブックでも、色々な方から、誕生日のお祝いメッセージをもらった。
「自分の周りで支えてくれている人を感じる。」という誕生日の過ごし方。
「「自分が生まれた。」ことを再認識する日」として、とてもいいなと思いました。