だい
今年も終わりですね。

昨日は稽古納め。
1月のマカオ公演のことについて、俳優と話し合いをしてました。
不在中に自主稽古してもらってた内容をシェアしてもらい、こちらの演出プランを伝えました。

今年も色々ありました。
ほんと、色々な方にお世話になった年です。
ありがとうございました。
簡単ですが、年の瀬のご挨拶にかえて。

さて、マカオでのことも、忘れないうちにまとめておきます。

芝居、クリスマス公演「雪のひとひら」について
最終的には成功だったが、かなり大変だったというが正直なところ。
ラスト一週間で、やっとまとまっていったという感じだ。
うまくいった要因としては、くれあを筆頭に女性陣の頑張りがある。
また、色々な方法で「場面の意図」や、「何故、この演出を要求するか?」を説明したことが、少しずつ伝わったのだろう。
また、初日に客から良いリアクションを得たことで、自信を持ったこともあるかもしれない。
最終的には、MOMENTSらしい良い座組になったと思う。

打ち上げで彼らも本音で語ってくれ、色々とわかり合えた。
今回は役者が若い人が多く、ストレートプレイどころか演劇経験自体が浅い人もいた。
そんな人に僕の芝居は、ハードルが高く、かなり大変だったようだ。
加えて、NGも多く、彼ら自身も「これで大丈夫か?」と不安だったよう。

海外での国際交流プロジェクトは、「芝居をやる。」だけではなく、「一緒の時間を過ごし、交流する。」ことが実は大事だと思う。
「紆余曲折を経た時間を過ごし、協働で何かを成し遂げる」ことが、お互いへの理解、絆を強くする。
正直、面倒な部分はあるが、ここ数年、マカオでの活動ができるようになったのは、「時間を共有した仲間」がいるからだと強く感じた。
打ち上げで一人ずつが、真摯に語るのを聞いて、しみじみそう思った佐川でした。

さて、帰国前日のことも少し。
くれあと「とにかく、世話になった人に御礼返しをしよう」となる。
スタッフだったバンとジェシカをランチへ。

バンは、演出助手であり、舞台監督であり、照明と音響両方のオペでもあった。
こちらの低予算小劇場では、結構、日常的だそうだ。
稽古中は、俳優のスケジュール、小道具、稽古場管理をしたうえ、うちの芝居は、音響も照明もきっかけが多いのに、パソコンでプログラムを組んでやってくれた。
連日、劇場で自主練する頑張り屋であり、何でもできるスーパースタッフの彼女には本当に助けてもらった。
(日本にこんなスタッフいたら、引く手数多だろうが、業界的にそんなことしたら干されちゃうだろうな。)

ジェシカは、バンの助手で、舞台監督助手だ。
バンはオペで調光室なので、ジェシカに袖なかのことを任せた。
ジェシカには、たくさんの小道具を黙々と作成してもらった。
きつい仕事でも「ノープロブレム、マイワーク(私の仕事だから)」と、こなしてくれる。
こちらが指示しなくても、きちんと先回りして、仕事をする。
また、役者がNGの時は、演技経験もないのに、その代役をしてくれた。

今回の芝居は、この二人のスタッフ以外は、当日受付だけであった。
本当に助かった。ありがとう。

夜はちかこと会う。
ちかこは、俺たちと同じ演劇の師匠「フィリップ・ゴーリエ」のもとで学んだ俳優であり、たまたまマカオに滞在創作で来ていた。(2月にマカオの俳優とクラウンショー的なものをやるらしい。)
彼女は、12月上旬にマカオに来ていたのだが、こちらが稽古で忙しく、やっと会えた。
カジノのやり方、役立ち情報などを話しつつ、軽く観光し、夕食へ。

夕食には、「雪のひとひら」出演者であり、通訳も兼任したバー二スも誘い、火鍋へ。
バーニスは、最初のマカオフリンジに参加したときから、通訳やコーディネーターで助けてくれているが、もともと役者経験があり、今回は役者として初めて出演してもらった。
今回の座組では、彼女の存在が大きかった。
やはり英語では、細かいニュアンスを伝えるのは難しい。
彼女の通訳によって、僕の意図はより明確に伝わったと思う。
俳優としても助けてもらったが、通訳としても僕の手足となってくれた。

帰宅後は、家の掃除と荷造り。
軽く仮眠して、翌日のフェリー乗り場へ。
主宰のフィリップと会う。
彼はマカオで、一緒に作品を作るのは三度目の朋友だ。
特に多くは語らないが、感謝と寂しさのない混ぜなものが、その眼差しから溢れる。
が、良く考えたら、1月に再訪するマカオ。
感慨に浸る意味もないことに気づく。
「See you next year」と別れる。

そんなこんなでした。
というわけで、改めて。
良いお年を。