りん 稽古場日記12月9日

こんにちは。今回の担当はりんです。よろしく。
本日はいつもより長めの5時間半の稽古でしたの。充実ですねえ。

今日のメンバーはこちら
大ちゃん、くれあさん、さとみ、りん、まな、おぎー、やなぎ、ふくみ、える、さちこ、
あや、そんで、ゲストにイッキことイクバルカーンさん。

イクバルカーンさんはイギリスの俳優・演出家です。2月に劇団一跡二跳の芝居に出演するのだそうです。
まあ、言葉が通じないわけですが、さちこの素晴らしい通訳でコミュニケーションには困らない。
(しかし、意外と国際的なモーメンツ。英語の先生だったり、スクール通ってたり、海外いってたり、ちょっと住んでたりしていて、そこそこ話せたりするのだねえ・・・)

素敵なゲストもいるわけですから、今日は言語を捨てましょう!
というコンセプトのものに、稽古内容はこちら*

・リーダーゲーム
・ ストレッチ
・ 大縄跳び。全員一緒にぬけよう。
・ 即興
・ ジブリっシュ(めちゃくちゃ語)で、話をしよう。
・ 夢十夜作品発表
 

まずはじめに、軽いゲーム。
円になって、リーダーをきめます。リーダーが動きます。リーダーに合わせて、みんなおんなじ動きをします。リーダーが、動きを変えたらまた皆が真似をします。
そして、一人後からその円の中心に入り、誰がリーダーなのか、当てる!というもの。

これ、意外と難しい。皆なかなか当てれませんでした。
360度はみえないし。知らない間に皆動き変わってるし。
え?いつ??誰が発信で変わったの??わかんねええ!!
・・悔しがる人を見るのは楽しいもの。
皆で一人に意地悪をする、というのってなんでこんなに楽しいのでしょう*
子供のときの遊びって、少なからずそういう要素があるよなあ。

そんで、ストレッチ後、長縄。
とはいっても縄は無いので、見えない長縄。
しかし、端の人達がきちっと回していると、縄が見えてくるからふしぎ。
そんで、長縄に次々入り、みんないっぺんに抜けるぞ!
と、いう稽古。
え、9人いっぺんにですか・・?!

合図はナシね。
感じるのだ。同じ呼吸、同じリズム、みんなでひとつ・・・。

・・結果は残念。結局抜けれませんでした。
しかし、実りは大きく。

「今ってときあったよね!」
「あったあった!」

文章にすると結構胡散臭いのですが、まああるのですよ。
あ、次だ!ってときが。
あ、そろった!ってときが。
まぢ。

で、そこまではなんとなくいくわけだが、飛び込めない・・。
少しでも躊躇すると逃す。
「あ、今!」と思う自分の感覚を、信じる。皆も一緒に感じてるというのを信じる。
これがねーえ、難しいのだねーえ。
でも楽しかったでやんす。

次は即興。
即興でなんか作れよ、というもの。
なんかって・・・・?いや、なんか、すてきなもの、です。
台詞とかシーンというよりは、身体が基本。
フィジカルな感じのもの。

はじめはリーダーをきめて、その人を中心に作る。
ちょっと戸惑う。
気を抜くと、シーンみたいになったり。
「芝居をしちゃ駄目!」
・・・芝居の稽古に来てるんですけど・・・。
すごいディレクションだが、的確なのです。
感覚と身体の稽古だから、頭でっかちになっちゃだめなのです。
途中でボディタッチが増えていった。ら、すこし皆楽になってゆく。
楽に、自由に、感覚的に・・・。
ラストの方はリラックスして集中していて、素敵な瞬間が沢山うまれました。

それから続いて「ジブリっシュ」
ジブリっシュっていうのは、「めちゃくちゃ語」です。

「あぬklすねおkんkだ」
「づねじdy8fkぇいんk」

こんな感じ。
いや、こんな感じと言われてもアレでしょうけど。
とにかくでたらめな言語でコミュニケーションをとるのです。
そんで、コミュニケーションしながらお客を意識する、ということで講演会形式に。
議題は、とんでもなく怖い体験をした、とか、ものすごいアドベンチャーをした、とか。

「紹介します。今日話してくれるのはアトランティス大陸に行ってきた二人。どうぞ。」

などと言われ、二人出てきて、めちゃくちゃ語で、客に話し出す。
俳優の打ち合わせは無し。
なので、相方が何を言ってるかを感じ取るのがとっても重要。
二人は同じ体験をした親友同士。
そして二人で確認しあって、ヒートアップして、客を置いていってはいけない。
ねえ、ちょっと、高度じゃない?
でもすげ面白かった。
言葉使わなくても、こんなに伝わるのだなあ、とおもった。
イッキも一緒に普通にやって、隣でげらげら笑っていた。
改めて思い出すとすごい。

そんでようやく夢十夜発表。

いや、みんなおもしろいのな。
「夢十夜の好きなシーンを、好きなようにやりなさい」
このアバンギャルドな宿題を、さくっとこなす。飛び込む。つくりこむ。
それぞれの夢十夜で面白かったでやんす。解釈もそれぞれで。

あやーんの作品はとても現代風。
前回の作品は「居場所なんてないじゃん」がテーマだったのですが
「居場所なんて不安定なもんじゃん」に変更。
原作は船に乗る話なのですが、彼女の舞台はオフィス。
ハンガーかけなどを使った空間処理表現がとてもすてきだった。

さとみはアンサンブルをつかった作品。
(*アンサンブルをやる人をうちではアンサンブラーといいます)
ちなみに私はアンサンブラーだったので、ちょっと客観的意見がいいづらい。
ディレクションをまとめると、以下。
さとみの表現したかったのは、「気持ち悪い雰囲気の、食物連鎖」だそう。
(皆にいえることだが創作視点がすごい。だって、食物連鎖とかの話とかないし。広がり方の独創性に拍手です!)
大ちゃんいわく、
「イメージとか絵が先行しすぎで伝えたいものが明確じゃないから、演技がちょっとぬるくなる」とのこと。
・・これ、私が今通ってる戯曲セミナーでもいわれます。
「作者の視座が明確じゃないと、作品がぬるくなる。」
なんでも一緒なのね。
2度目、明確に伝えたいものを意識して、トライ。
やはり緊張感がちがいますよ。
表現って、やりたいからやるんだなあ。

ふくみもアンサンブル沢山つかっていました。
黒い海の波を黒ビニール袋で表現など、アイデア豊富。
音とか照明とかも持ってきて準備。
そんで、びっしり書かれた演出ノート。
アンサンブラーは4人。
これだけで脱帽。

だって、打ち合わせの時間とか、せいぜい5分もらえるかだよ?
そのなかで、これだけのことをしようと思うのがすごい。
小道具と人と照明と音。
私は一応劇団の主宰なんかもやっているので、そういうものをつかって、人と物を作る難しさを知っている。
つもり。
なので、結構そこまでやられると、
「そんなの5分とかそこらでやれるわけないじゃん、芝居なめてんのか」
とすら思う。正直おもった。
が、
多分うまくいったのだなあ。
音はいい感じにはいり、照明はいい感じに変わり、機械的に歩く人はそこに確実に空間を生み出し、ゴミ袋の波は荒れ狂い、感じあい、ピークを迎え、主人公をつれさっていく。
これが、ほとんど5分とか10分とかの打ち合わせで出来てしまった。

芝居なめてたのは私か。とおもった。

さいごにイッキがひとこと。
「技術的にうまくやるところは沢山あるけれど、自分たちでやりたい表現を生き生きとやれるところは、日本では見ない。それが、皆出来ていて、魅力的で、とてもいいカンパニーだ。一緒に出来て本当に幸せでたのしかった。ありがとう」

なんて素敵な言葉!!
こちらこそありがとうなのです。
うれしい楽しい実りの多い5時間半でございました。