やす 初めまして、今回、シアターモーメンツ本公演に初参加(パフォーマンスではあるんですが)させていただいています、”やす”こと、大地泰仁(おおちやすひと)です。
いつもタカに稽古の合間に物を隠されている奴です。ノーの言えない奴です(先日はここで見苦しい姿をお見せして申し訳ありませんでした……)。
まさとは昔からの知り合いで、もう……13,4年になりますね……。今回、かなり久しぶりに一緒にやっています。いや、不思議な感じです。


不思議といえば、世の中にはそれがそこにあるということがにわかには信じがたいことが目の前に登場することがままありますよね。

今日、稽古からの帰り道、いつもの近くの駅に向かっていると、駅前商店街の年季の入った靴屋の前を通りがかったとき、そのお店の看板を見て一瞬唖然。
靴屋らしく異様に大きい靴を履いて、頭は小さいといういびつなネズミのシルエット……。どう見てもそれは、千葉県にある大人気キャラクターたちが日夜踊り騒いで老若男女を歓待しているドリームランドの一番人気のネズミと面影がダブる。しかし、そのネズミを店主自ら描き写してそのまま看板にしてしまったかのような姿……。
「残念なネズミがいるぞ……」。
しかし彼は、確実に、そのシルエットのなかで、こっちを見て最高の笑顔を送ってきている。
「横顔の口が、ものすごいほがらかに開いている……」。
僕は、とある国でそのネズミの親戚のような激似ネズミが登場するたぶんずっと前から、この国の一商店街の一靴屋にパイオニアがいたのだということを思い浮かべながら、爽快な風すら感じさせるその姿を見つめていた。
彼のその笑顔を、どう受け止めたらよかったんだろう。
いや、受け止めるべきだったのかどうかもわからない。
彼は、いまこの時間も、ずっとシルエットの中で笑い掛け続けている。



そのものがそこにないとしても、不思議で現実に思えない嘘のように思えたとしても、そこに何かがあることもある……
ということで、
劇場でお待ちしています。
さらにがんばりますからね!!
それでは。